茨城県が全国に誇るお茶のブランドが「奥久慈茶」です。大子町の名勝・袋田の滝からさらに車で15分ほどのところに産地があります。お茶の産地は温暖な平地のイメージが強いですが、奥久慈地方はその逆。平均気温が12〜13℃程度で、昼と夜の寒暖差が大きい山間地です。お茶の産地としては、ここが日本最北限になります。ただ、この気候や地形だからこそ出せる味わいがあります。今回は、奥久慈茶の味わいをより多くの人に広めようと奮闘しているかねた園をご紹介します。今、かねた園が力を入れているのは、国内の約8割を占める「やぶきた種」とは異なる品種の生産です。そのひとつである「ほくめい」を徹底的に紹介します。

 

「ほくめい」ができるまで!

高齢化で生産量が減少傾向に

現在では、茶摘みから製品化までほとんど機械化されていますが、高齢化による人手不足によって奥久慈地方の生産量も減少傾向にありました。この課題をどう克服すべきか。代表の鈴木昭二さんは「品種のバリエーションを増やしたら課題の解決につながるのではないか」と考え、品種改良への挑戦が始まりました。

挑戦の日々

一口に品種の改良や転換といっても簡単ではありません。なにせお茶は、植えてから摘み取れるようになるまで5年もかかります。つまり5年は試行錯誤の結果がわからないのです。それでも鈴木さんは、寒さに強い品種を他産地から仕入れたり、環境に配慮した農法を採用したりして、いろいろなことに挑戦してきました。

晩成種で生産量アップ

さまざまな試みの中で、従来のやぶきた種よりも遅れて摘み取れる晩成種が実ります。この品種のおかげで、やぶきた種の摘み取り時期が過ぎても、工場を動かせるようになりました。人員を増やすことなく、生産量を上げることに成功したのです。鈴木さんはこれに「ほくめい」と名付けました。奥久慈茶の新ブランドの誕生です。

 

5月中旬には新芽が育ちます。いわゆる「新茶」はこの時期のものです。

摘み取った葉をできるだけ早く処理。コンベアで蒸し機まで運びます。

蒸した葉を100℃内外で90秒ほど撹拌し、茶葉各部の水分を均一にします。

これが葉を揉みほぐす揉捻機(じゅうねんき)。これで30分ほどよく揉みます。

中揉機(ちゅうじゅうき)という機械で、揉んだ葉をほぐします。

ここが最終段階。お茶の見た目を美しくするため、形を整えます。

 

ここが匠の技!

現在は機械による摘み取りが主流ですが、最初の新芽が出た数日は丁寧に手摘みをします。手摘みは新芽を見ながら摘むので、古葉や木茎といった異物の混入がありません。また芽の長さが揃った生葉を収穫するので、見た目も品質も良い高級なお茶になります。しかし、手摘みは大変な集中力を必要とするため、熟練した匠たちしかできません。この匠たちも高齢化しており、今では1日しかやれなくなっているそうです。手摘みのお茶が「極上」の理由もうなずけます。

鈴木さんは茨城県主催の物産展などにも積極的に参加して、奥久慈茶の魅力を広げようと奮闘しています。奥久慈茶を飲んだ人は、その濃さや香りの良さを感じてくれるそうです。「奥久慈茶が濃いのは、葉が寒さに耐えようとして厚みを増すからです。濃い分、2〜3回はしっかり味わえます」と自信を見せます。

 

かねた園 アラカルト

鈴木さんは、奥久慈茶にまた新しいアピールポイントが加わったことを強調していました。平成21年3月、筑波大学の研究チームの分析結果によってエピガロカテキンガレード(EGCG)、メチル化カテキンの含有量が他産地のお茶よりも多いことがわかったのです。「これらは体にいいものなので、健康食品の一つとして奥久慈茶がより注目されることを期待しています」とのこと。まさに贈り物として最適。かねた園店内には直売コーナーもあるので、ぜひお土産にどうぞ。

Information

有限会社 かねた園
住所 茨城県久慈郡大子町左貫3029
営業時間 月~金 8:00~17:00
定休日 不定期
お問い合わせ TEL:0295-78-0551
かねた園

 

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