根本酒造

茨城県の水戸市と福島県の郡山市を結ぶJR水郡線。その水郡線で水戸駅から約1時間の場所、久慈川がかたわらに流れ、奥久慈の山々を望む絶好なロケーションの中に、根本酒造はあります。常陸一帯を治めていた佐竹氏の家臣を先祖に持ち、創業はなんと関が原の合戦の3年後、慶長8年です。「連綿とご先祖がつないできた酒造りの火を消さず、淡々と着実に歩を進めたい」と話すのは20代目当主の根本朗裕(あきひろ)さん。20歳代で店を引き継ぎ、以来20年以上、同店の酒造りを守ってきました。久慈川の伏流水、駒形神社の湧水を仕込み水に、米どころ・地元常陸大宮の米を中心に使った「久慈の山」は、全国新酒鑑評会で幾度となく金賞を受賞している、奥久慈の銘酒です。

 

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで!

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで

歴史から由来した名前

安土桃山時代まで、佐竹氏の出城が、現在の国道118号山方トンネルの真上にありました。今は復元された御城展望台として山方地域のシンボルになっています。先祖のゆかりあるこの城の名前を最高級の大吟醸に命名、その名に恥じない歴史を背負った名品として仕上げました。すでに四半世紀にわたり、県民に親しまれ続けています。

繊細を極める製造過程

蒸す前の浸水時間は秒単位です。使用米の日本晴をネットに入れ水に浸し、ストップウォッチ片手に、秒単位で浸水時間を計り、ネットごと一気に引き上げます。その前後に重さも計量し、吸水量をチェック。素材の米のよさを十分に引き出すために必要なのは、細かい工程のそれぞれで繊細な注意を払うことです。

一番適した時期に、手間も時間もかけ

とにかく一番寒い時に作ることが重要な条件です。冷ます時には徹底して冷ます、これは時間の制約がある中で実行しなければならないので、温めるより難しくなります。大量に処理せず、小分けし、当然作業が細かくなる分、手間や人手がかかります。夜中に定期的に温度管理のためのチェックも必要です。

 

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで1

蒸した米を手早く容器に移し、次の工程へ。

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで2

外気温度を利用しながら、短時間で冷やします。

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで3

麹室ではツヤや匂いを頼りに、完成を目指します。

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで4

櫂で上下を返し、均一にし、全体へ酸素供給も。

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで5

袋に小分けし、ポタポタ落ちてくるものをキャッチ。

大吟醸「御城(みじょう)」ができるまで6

斗瓶に移し保存(この写真は品評会用)。

 

ここが匠の技!

根本酒造の酒造りは、越後杜氏、丹波杜氏とならび、日本三大杜氏の筆頭に数えられる岩手の南部杜氏の手で進められています。20年来、11月から翌4月まで同店に逗留し、その洗練された酒造りの技で現場を引っ張ってきたのは南部杜氏・小田中巖さん。70歳になる小田中さんの後継者は、実は根本酒造の蔵人の中から育っています。小田中さんに付きっきりで酒造りを学び、このほど難関の南部杜氏協会による杜氏資格試験に合格した菊池道郎さん、まだ40代の若さです。

匠

見方によっては節目の時ともいえる「20代」当主の根本さん。「別に気負いのようなものはないです。むしろ奇をてらわない方が大事」と話します。地元で取れた米を使って、手作業で丁寧に酒にする、伝統の味は変えず、新商品開発などを通じて、時代のトレンドにも対応したい…。様々な思いを抱きながら、歴史をつないでいきたいと願う根本さんです。

 

根本酒造 アラカルト

アラカルト

「日本酒というのは、ワインと違いたいがいの食べ物に合っちゃう。基本は冷がいいかな」とは根本さんのアドバイス。左から紹介済みの「久慈の山 大吟醸 御城」。「久慈の山 吟醸 奥久慈の香」はほのかな香りが特徴。「久慈の山 純米 生一本」は実質吟醸クラス。ぬる燗ぐらいなら温めてもいい。割り水せず、できた酒のままの「原酒」。手前は6本1パックの「本醸造 生貯蔵酒」。

Information

根本酒造

根本酒造
住所 茨城県常陸大宮市山方630
営業時間 8:00〜17:00
定休日 日曜、祝日
お問い合わせ TEL:0295-57-2211
根本酒造