株式会社 濱佳水産

勝田マラソン、ひたち海浜公園で有名なひたちなか市。太平洋に面した豊かな海に程近い水産加工団地の中に、濱佳水産はあります。創業は1986年。同地で300年に渡り、水産加工を専門にやってきた川達水産株式会社が、個人向け販売のルートを開拓しようと立ち上げた会社です。保冷剤を入れて、一軒一軒冷蔵配送したり、タコを使ったレシピをホームページで紹介するなど、きめ細かい対応でタコ好きの消費者を喜ばせています。蒸しダコ、味付けタコ、梅酢ダコがメイン商品ですが、今回は、この自慢商品の供給元、川達水産にタコ加工の話をじっくりと聞きました。

 

梅酢ダコができるまで!

昔はぜいたく品だったタコ

今、原料のほとんどはアフリカ北西部の国、モーリタニア、モロッコ産の真ダコです。40年ほど前まではひたちなかの海でも地ダコが取れましたが、その当時はぜいたく品でした。歯応えが強い地ダコと柔らかいが噛み切りにくい水ダコの「いいとこ取り」ともいえるのが、アフリカの真ダコだそうです。

ニーズに合うように挑戦を続ける

もともとタコの加工は「煮る」が主力。「煮る」からの脱却、進化を求めて「蒸し」への挑戦が始まりました。皮むけや生煮えなどの失敗を一つひとつクリアし、蒸しダコが完成。量産のための自動蒸し機の開発も進め、たくさんの人に高品質のものを供給できるようになりました。この結果、消費量が飛躍的に伸びたのです。

先を行くメーカーとしてプライド

梅酢の開発にも力を入れました。酸味の好みが地域によってばらつきがあり、酢ダコというシンプルな味付けでは大量生産が難しい側面がありました。塩分を抑え、酸味を調整し、まろやかな、梅酢を開発。梅の風味を活かしつつ、旨みを出すためにリンゴを加えるなど、アイデアを試しては工夫を重ねました。

 

梅酢ダコができるまで1

原料解凍。マイナスイオンを発生させる機能付の原料解凍庫で一定の温度帯で解凍。表面に付着している異物を取り除くための一次洗浄へ。

梅酢ダコができるまで2

股切。洗浄後、鮮度を人間の目でチェック。さらにタコの締りと丸まりをよくするために、目と目の間に切れ目を入れます。

梅酢ダコができるまで3

塩もみ。風味を引き出し、締まりをよくするために、木樽で塩もみをします。加熱時の皮むけを防ぐためミョウバンを入れます。

梅酢ダコができるまで4

蒸しボイル。独自のボイル機で旨み、風味を閉じ込めながらじっくり蒸します。その後粗熱を取り、芯まで十分に冷やします。

梅酢ダコができるまで5

漬け込み。金属探知機で異物をチェックしたあと、一つひとつ袋詰めし、調味液を入れて空気を抜き密閉します。

梅酢ダコができるまで6

出荷。保冷財を入れて冷蔵配送します。消費者の手元に届くまで、鮮度や旨みをしっかりキープするためです。

 

ここが匠の技!

匠の技

まだ30代と若い代表・齋藤浩一さんは6代目。前浜から上がる魚の行商からスタートした川達水産の現在の舵取役です。基本は「ほかにないもの」「ほかに負けないもの」を作り続けたいということ。ほかではできなかった「蒸す」に成功した背景には、道具まで自分たちで作る熱意がありました。ここの工場に合うもの、やりたいことに合うものを作るために、機械製造サイドと一緒になって開発に携わりました。「これは加工屋の原点です。最終的には職人ですから」と話す齋藤さん。梅酢の試行錯誤もこのような会社の持つ力があってこそといえそうです。

匠

「屋号の『ヤマカワ』をしょって300年。プライドを持ってやっています」と胸を張る齋藤さん。世の中のニーズに合うものの開発に挑戦し続けるのは、先を行くメーカーとして当然のこと。ぜいたく品としてではなく万人が手軽に食べられる食材として、その供給にこれからも力を注いでいきたいと話しています。

 

株式会社 濱佳水産 アラカルト

アラカルト

写真は蒸したこセット。海藻サラダ、酢たこ用や味付たこ用たれ付きです。そのほか、メイン商品には、女性にオススメの梅酢ダコや、かめばかむほど味の出る、真ダコ本来の風味・旨み・食感 を最大限に引き出した味付けタコがあります。酢ダコは、パプリカ、イタリアンパセリやチーズとともにバゲットに乗せれば酢ダコバゲットの完成です(濱佳ホームページレシピ集から)。

Information

株式会社 濱佳水産

株式会社 濱佳水産
住所 茨城県ひたちなか市沢メキ1110-66
営業時間 月~金 8:00~18:00
土日祝 9:00~17:00
お問い合わせ TEL:029-263-3931
濱佳水産