全酒類 やまきち

JR常磐線勝田駅から徒歩で十数分、駅前のメインストリート・表町商店街の中に酒類販売の「やまきち」はあります。代表の石川義次さんが同店を立ち上げたのは昭和43年。常陸太田市の酒蔵で販売部門の責任者として仕事をする中、もっときめ細かい対応をしながら酒を売りたいという思いが強くなり、自らの店を持つに至りました。販売のプロを自認する石川さんとしては、ひと口においしい酒がほしいと言われても「いろいろある」というのが実感。その人は神経質なタイプか、大雑把なタイプか、肉が好きか、魚が好きか。そんなことまで配慮しながら酒を薦めたい…。さらに、その延長にあったのが酒に合う、おいしいおつまみでした。

 

茨城れんこん漬ができるまで!

人がやらないものをやろう

酒に合うおつまみを用意したい。目をつけたのは漬物、素材はレンコンでした。レンコンは漬物の素材として珍しかったこと、県の特産品であることに加え、健康にもよいことが大きな理由でした。心臓にもよい、糖尿病予防にも効果があるなど、石川社長がイメージする、酒のつまみの条件を十分に満たしていました。

「方波見漬物店」に依頼

行方市、北浦のほとりで3代続く漬物屋「方波見漬物店」に製造を依頼。らっきょう漬や牛蒡風味漬などを主力商品として持つ同店ですが、「ほかにないものがあると、イベントなどの出展の際に有利になるんです」(代表の方波見晴男さん)と歓迎。難しかったのはレンコンの白さを保つことでした。時間が経つと酸化が進み黒っぽくなってしまうのです。

調味液の工夫を重ね

湯通しの時間を長くすれば酸化は防げますが、シャキシャキがなくなってしまいます。そこで湯通しの微妙な時間を割り出し、なおかつ調味液の工夫を重ねました。濃い口しょうゆをやめ、薄口と白しょうゆのブレンドに切り替えたのもそのひとつ。問題を一つひとつクリアしながら、現在の形に落ち着きました。

 

茨城れんこん漬ができるまで1

スライスしたレンコンを湯通しします。時間は約5分、季節によって調整が必要です。

茨城れんこん漬ができるまで2

クエン酸水に漬け、だいたい一晩置きます。湯通しとともに酸化を防ぐ重要な過程です。

茨城れんこん漬ができるまで3

流水で手早く洗います。冬の季節には骨の折れる作業。水を切るために、ざるに上げ、少し時間を置きます。

茨城れんこん漬ができるまで4

水で戻しておいた昆布を混ぜ合わせます。昆布のだしがレンコンの食感を引き立てます。

茨城れんこん漬ができるまで5

秤のうえで袋詰めします。ほとんど狂いなく作業は早く、最後に彩りの唐辛子を添えます。

茨城れんこん漬ができるまで6

特製の調味液を入れます。機械で空気を抜き密封、この袋の中で漬物として完成します。

 

ここが匠の技!

やまきちの店内には様々なものが並んでいます。酒はもちろん、奥のガラスケースの中にはお猪口やぐい飲みなど、あらゆる形の酒を飲むための器が陳列されています。酒を飲むシチュエーションにもこだわりたい石川社長のコレクションです。「夫にあまりお酒を飲ませたくない奥さんは、飲むのをとめるより、腰が高くて小さなぐい飲みに少しずつ注いで薦めるのが効果的!」など、酒器を前に話がとまらない石川さん。ちなみに、写真で手にしているおちょこはこれ7杯で約1合。「酒飲みはこんな器で飲みたがる。なぜなら、頭を傾けずにぐいぐいいけるから、酔いがなかなか回らないのです」とのこと。小さくて背が高いぐい飲みを薦める理由は、まさにその逆というわけです。

漬物というのはそもそも、商品になりそこなった、規格外の素材を有効活用した結果生まれたものが多い。茨城れんこん漬にしても、大きく育ったレンコンの、小さな尻尾を漬物として蘇らせています。石川さんのアイデアと方波見さんの努力の成果といえます。

 

全酒類 やまきち アラカルト

前列、「とっておきの逸品 おかか生姜」は国産かつお節と刻み生姜に紀州南高梅肉とシソの葉を加えたもの。料理の隠し味としても重宝します。「昆布巻きたくあん」は干し上げた大根のパリッとした口当たりと香りを昆布と一緒に味わえるもので日本酒にピッタリ。右上の「国産おつけもの」は、旨みたっぷりのたまりしょうゆでじっくり漬け込んだ大根、キュウリ、人参が入っています。「手造りトウガラシのしそ巻き」はトウガラシをシソの葉で巻き、しょうゆに漬けたもの。シソの香りと食感が楽しめます。「茨城牛蒡風味漬け」も扱っています。

Information

全酒類 やまきち
住所 茨城県ひたちなか市表町3-5
営業時間 10:00~20:00
定休日 火曜日
お問い合わせ TEL:029-272-0430
全酒類 やまきち