茨城県の北東部に位置する常陸太田市。JR水郡線太田線の終点、常陸太田駅から歩いて5分の街中に印籠焼本舗・光月堂はあります。常陸太田市には、水戸光圀公の隠居所・西山荘があり、茨城県で最も人気のある観光キャラクターともいえる黄門様と、ひときわ縁が深い街です。黄門様といえば「印籠」、その印籠を人形焼のスタイルで作ったのが光月堂代表の佐藤明夫さん。光月堂は最近まで太田名物のちまきを製造していた、創業85年の老舗です。現在は「黄門さまの印籠焼」をメインに、餡に季節感を取り入れるなど工夫を凝らしながら営業しています。

 

黄門さまの印籠焼ができるまで!

何か特産品はできないか

常陸太田市を代表するような、県外でも通じる特産品はできないかと考え始めたのが、印籠焼開発のきっかけでした。印籠を人形焼の生地で作れないかな…、アイデアを形にするために動き始めた佐藤さん。平成17年に茨城県新製品開発等支援事業費補助事業の認定を受けることができました。どうやって焼く?印籠の型は?ゼロからのスタートでした。

完全オリジナル、印籠の「型」が完成

「型」は東京のおやつフード専門の機械メーカーと2ヶ月間毎日東京に通いながら、共同開発しました。表には家紋、裏には「黄門」(登録商標)の文字と、デザインイメージははっきりしていました。ところが、型からの取りやすさなど、完成までには様々なハードルがあり、苦労の連続でした。一方で生地の問題もありました。どの素材をどのように配分するのか、レシピがないのです。

小麦粉と奥久慈卵で生地作り

試行錯誤の末、小麦粉に奥久慈卵をたっぷり混ぜた生地が完成しました。卵の良さが生地に反映し、しっとりとした焼き上がり、風味のある香ばしい生地のでき上がりです。「人形焼」の生地は、たい焼きに比べると、焼くのが「10倍も難しい」というのが佐藤さんの実感です。平成18年には手焼きでスタート、2年後には手焼き風全自動の実演機械を導入することができました。

 

生地作り。ミキサーで卵を混ぜ、次に小麦粉を投入。

全自動機械の上部タンクに、生地と餡を入れます。

火を入れ、温めておいた型に、生地が入ります。

少しずつ回りながら、焼き上がっていきます。

小さなクレーンが一つひとつ持ち上げ、次の工程へ。

包装され、あとはチェックしながら箱詰めをします。

 

ここが匠の技!

水戸周辺や県外からの支持は大きく、黄門様のネームバリューと、日持ちのするお菓子であることの利点が生きたと実感。佐藤さんにとっては狙い通りの結果でした。大型プロジェクトを企画した企業が株主優待品として選定してくれたり、大手家電メーカー展示会の記念品用に関西から注文が舞い込んだり…。今、最も力を入れているのが、笠間の栗専門店の高級栗ペーストを中味にした「金の栗」です。

光月堂を引き継ぐ前に、サラリーマンを19年間経験した佐藤さん。面倒な申請手続きなどをこなす事務能力や、アイデアを形にするために必要な、周囲を巻き込む発信力は、この時代に培われたました。

 

印籠焼本舗 光月堂 アラカルト

左から、こしあん、金の栗。その隣は梅餡。茨城県産の梅を使った甘酸っぱい餡で、生地には常陸秋そば粉を使用し、風味豊かな印籠焼きに仕上げています。この梅餡入りの印籠焼は、水戸商工会議所が商標登録した観光土産品の統一ブランド「梅色未来」にも認定。右は季節限定の巨峰餡入り。まさに巨峰のおいしさがギュッと詰まっています。今後も、「ご当地素材シリーズ」の開発に力を入れていくので期待してください」とのことです。

Information

印籠焼本舗 光月堂
住所 茨城県常陸太田市木崎二町857-18
お問い合わせ TEL:0294-73-0220
※本店営業時間、取扱店舗はお問い合わせ下さい。
印籠焼本舗 光月堂